155,000部発行
2007年8月9日
通巻第131号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/(有)稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
HOME Top News 連載・特集 地域一般 芸能・スポーツ 耳より情報 地域新着情報 読者の広場 インフォメーション おすすめリンク
千葉の歴史検証シリーズ50 「成田国際空港反対闘争」続編
警察官3人が殉職した「東峰十字路事件」
 きょうも成田空港は海外旅行を楽しむ人たち、海外の出張所で働く会社員の出発などで賑わっている。
 しかし、この空の玄関口ナリタ′嚼ンに、いかに多くの人たちが犠牲になったか。いつか人々の記憶から薄れつつある。稲毛新聞では先のこの欄で流血の成田闘争≠ニ題して、国際空港が開港するまでの経過を報告したが、事件の中で最も衝撃的だったのは、警察官一個中隊が建設反対派と衝突し、警察官3人が殉職した「東峰十字路事件」だった。あれから36年。「成田国際空港反対闘争」の犠牲となった警察官慰霊碑に元被告たちが、先日ひっそりと花束と線香を手向けた。

あれから36年、警察官慰霊碑に元被告が献花
 花束と線香を手向けた人たちは、この東峰十字路事件で傷害致死罪などで起訴された元被告の一部の人が作った交流会メンバーの人たち。いまは空港周辺で野菜や果物を作って、平和に暮らしている。
 事件が発生してから、はや36年という歳月が経っている。慰霊碑の存在すら忘れ去られようとしている。 この慰霊碑献花で、私たちは国際空港ナリタ′嚼ンのため流された多くの尊い血≠再び思い起し、無量の感慨を忘れてはなるまい。この衝撃的な事件の概要・経過について再度振り返ってみたい。
 
 犠牲になった神奈川 県警の応援警察官
 成田空港建設反対闘争は、農地と強制収用された農家の人たちと、応援の全学連学生ら、これを排除しようとする警官隊との間で、激烈を極めた。事件は71年9月16日、発生した。反対闘争が最も激化していた頃である。
 最初、取材する新聞社の現地取材班に入った情報の第一報は「警察官一個中隊が反対派と衝突、ほぼ全滅に近い」という衝撃的なものだった。発生した場所は、通称「東峰十字路」。
 この時期、闘争のため建てられた農家の人たちの反対塔%P去に多くの警察官が派遣されていた。 東峰十字路で反対派と衝突したのは、この応援に向かっていた神奈川県警から派遣された一個中隊だった。
 取材が進むにつれ、事件の重大性が高まっていったが、それが最高潮に達したのは、火炎瓶や角材の攻撃を受け、20歳代から40歳代の警官3人が死亡したことが確認された時点からだった。一連の成田闘争≠フ犠牲者のうち、最も悲劇的犠牲≠セったとされる。
 当初、一報があった「一個中隊ほぼ全滅」という大事件にはならなかったが、犠牲となったのは20歳代から40歳代のこれから≠ニいう警察官たちだった。
 あれから36年。今では犠牲となった警察官のこと、その人たちを慰霊するため建立された慰霊碑も、いつの間にか人々の記憶から去り、慰霊碑も汚れたままになっている。その慰霊碑に献花したのは、この事件で傷害致死罪などで起訴された57人の元被告のうち、約20人。すでに50歳代後半から60歳代になっている。

 忘れてはならない 命を捧げた人々
 今では「東峰十字路事件」と言っても、多くの人たちは知らないだろう。まして、ここで尊い命が失われたことなど…。成田空港の連日の賑やかさを、地下に眠る建設の犠牲≠ニなった人たちは何と考えているだろう。献花した人たちは、先代、先々代が開拓した農地を命がけ守った専業農家の人たち。野菜や果物を栽培して生活しているが、この人たちにとって、あの成田闘争は一体何だったのか∞なぜ多くの人命を失わなければならなかったか≠ネど、おそらく一生をかけても解決できない悩みかも知れない。
 「3人の警察官の塔に花束を捧げたい」と、慰霊碑の前に立った、かつて闘士≠スちは、命の尊さ、重み、それをすべて懸けて=A先祖伝来の土地を守るため、やった闘争。そして激しい警官隊との衝突を改めて思い起こし、今日の成田国際空港の賑やかさを、心の中で対比して、無量の感慨に浸ったに違いない。
 千葉県警が、事件4年後に建立した慰霊碑。今では訪れる人も、ほとんどいないという。今回、この慰霊碑に献花した反対派≠セった農家の人たち。実に36年という歳月を経て、改めて双方の主義・主張・義務など、多くの課題に深い感慨を覚えたことだろう。
 あの成田闘争≠ヘ、いつの間にか風化≠オつつある。しかし、空港建設の陰に、そして今日の国際空港ナリタ♀J港の裏にある血の歴史≠ヘ、その犠牲となった人々のためにも決して忘れてはならない。

【東峰十字路事件】
 1971年(昭和46年)9月16日に成田空港建設予定地であった反対派の土地に対して、千葉県による第二次行政代執行が行われた際に、警備にあたっていた警察部隊と空港反対派との衝突により警察官3名が死亡した事件。
 この事件で空港建設に反対していた農民組織である三里塚空港反対同盟の青年行動隊員の多数が逮捕され55名が起訴されたが、十数年の裁判を経て3名が無罪、52名が執行猶予付の懲役刑となり実刑判決は無かった。これは、当初から警察官への襲撃に全く関わっていなかったか、襲撃に関与していても、多人数による騒乱状態の中で行われたため、誰が誰に対し、どのような行為をしたか、具体的に警察や検察が証拠を提示できなかったことが理由として挙げられている

フロントページへ このページのトップへ


学校物語 113 千葉市立星久喜中学校
生徒会主体でリーダー研修会を開催
中央区星久喜町にある「千葉市立星久喜中学校」は、昭和46年4月に創立。学校教育目標に「自ら考え、実践できる生徒の育成」を掲げ「学びを大切にする生徒」「他人を思いやることができる生徒」「最後まであきらめない生徒」の育成に取組んでいる。全校生徒232人が勉学とスポーツに励んでいる。静かな住宅地に囲まれた同校の近くには、支川・都川が流れ、緑豊かな地域だ。
 同校では今年度、ボランティア教育推進指定校を受けたが、以前から様々なボランティア活動を展開している。生徒会を中心に、夏休みと冬休みには、生徒たちと教師、青少年育成委員会の人たちとともに、同校周辺の清掃活動【写真】に取組んだり地域の老人クラブの敬老会でお世話係を担当している。敬老会では、生徒の有志10人がバンド演奏も披露した。
 生徒会活動では、昨年の秋に「リーダー研修会」を初めて開催し、同校の生徒たちと星久喜小学校の6年生のリーダーなど約50人が集合して、生徒会活動や生活の目標などについて話し合いを行った。
 生徒たちが主体的に活動する「リーダー研修会」は年に1回開催し、今年も10月に開催予定。
 秋には、青葉の森公園芸術文化ホールで合唱コンクールを開催している。2年生の職場体験は6月に3日間実施。地元の企業や病院、植物園、保育園、レストランなどで仕事を実践。「あいさつが大切だと感じた」「大変だったが、職業の世界を見ることができて良かった」「自分の将来の仕事を考えることができた」など、生徒たちは貴重な体験をした。
 保護者や地域の人たちは、セーフティーウォッチャーを引受け、学校でバザーを開き、学校周辺に花を植えるなど同校の教育活動に積極的に協力をしている。部活では、昨年度の市総合体育大会で男女の柔道部が団体優勝を果たし、県大会では女子柔道部が団体準優勝と個人優勝を果たして全国大会に出場した。今年度は、県中学校柔道大会で女子が準優勝、男子が敢闘賞に輝いた。他にも男子バレーボール部が県大会に出場するなど活躍をしている。
【取材・浦野美智子】

フロントページへ このページのトップへ


あの店この店 10分間乗るだけで2万歩の効果
ワンコイン・フィットネス AsimoA・新検見川店
 6月にオープンしたばかりの「ワンコイン・フィットネスAsimoA新検見川店」はJR新検見川駅から徒歩4分、グリーンベルト沿いの千葉信用金庫交差点前にある。店内には「ブルブルフィットネス」という高速振動マシンを5台設置。「ブルブルフィットネス」は10分間乗るだけで、血液の循環が良くなり、ダイエット効果が得られるという優れもののマシン。
 スポーツウエアに着替える必要がなく、普段着のまま10分間マシンに乗るだけなので、時間がない人や運動が苦手な人や体力がない人でも気軽に利用できる。
 マシンに乗ると、足元から高速振動が体全体に伝わり、心地良いマッサージを受けているような気分になる。メタボリックが気になる人やお腹の脂肪が気になる人、体重を減らしたい人、運動不足の人、便秘の人、冷え性の人、猫背の人などに効果抜群。同店には20歳代から70歳代までの人が訪れている。利用している人からは「体重が減り、13号サイズだったのに9号サイズの洋服が着られるようになった」「ぐっすりと眠れるようになった」「肩こりが治った」「足の疲れが取れた」「便秘が治った」などの感想が聞かれ、美容にも健康にも良いことを実感している人が多い。
 オーナーの松園文江さんは「今まで様々な健康器具を試しましたが、ブルブルフィットネスが一番効果がありました。10分間で約2万歩の運動効果があり、脂肪の燃焼につながります。気軽に体験して下さい」と話した。
 子ども連れでもOK。料金は1回10分で500円。初回無料体験券持参の場合は初回無料。営業時間は午前10時から午後10時。年中無休。Tel350・5626
【取材・浦野美智子】

フロントページへ このページのトップへ


サークル紹介 詩吟千葉岳風会 「吟葉会」
腹式呼吸で力強く詩を歌う
 20年ほど前に発足した詩吟のサークル「千葉岳風会・吟葉会」は、毎月第1・2・4金曜日の午後1時から3時まで、美浜区の真砂コミュニティセンターで活動を継続している。詩吟を始めて35年以上になるという「日本詩吟学院岳風会」理事の赤星岳純さんの指導のもと、50代から70代の男女14人の会員が熱心に練習に取組んでいる。
 「詩は魂のふるさとであり、感情の源泉。腹式呼吸でお腹の底から詩を吟ずることで、詩の奥深さや作者の思いを知ることができる」と赤星さん。
 詩吟は漢詩や和歌や俳句などに独特のメロディーを付けて詠むもので、発声は難しいが、初めての人でも数ヵ月で表現できるようになる。会員は「詩を楽しみ、聴く人に感動を与えたい」「詩吟のメロディーが好き」「声を出すことで元気になり、脳の活性化に良い」「詩吟に集中することで緊張感と刺激を感じる」など、詩吟は元気と若さの源でもあるようだ。会員募集中。見学自由。問合せはTel273・0544(平木)。 
(取材・浦野美智子)

フロントページへ このページのトップへ


市民ガイド
千葉市美術館
「都市のフランス自然のイギリス」〜18・19世紀絵画と挿絵本の世界〜
西洋市民社会の成立と発展を栃木県立美術館所蔵の代表的な西洋絵画と版画コレクション▼会期・8月7日(火)〜9月17日(月)*休館日9月3日▼開館時間・10:00〜18:00金、土曜は20:00まで▼観覧料・一般800円(640円)高・大生560円(450円)カッコ内は団体料金▼問い合わせ・Tel221-2311
★同時開催「若冲とその時代」
▼観覧料・一般200円(160円)高・大生150円(120円)カッコ内は団体料金*
千葉県立美術館
アートコレクション(1)「浅井忠・フォンタネージとバルビゾン派」、(千葉県ゆかりの洋画家浅井忠と同時代の作家たち)(2)「水彩画の歩み」、(明治から現代までの作品約40点を展示)(3)「金工の世界」、(香取秀真、津田信夫、香取正彦、信田洋ら房総ゆかりの金工作家四人の作品)▼開催期間・9月1日〜10月8日*休館日・月曜▼料金・一般300円、高・大生150円、中学生以下・65歳以上無料▼Tel242-8311中央区中央港1-10-1
若潮少年少女合唱団定期演奏会
▼日時・8月18日(土)午後1時開演(12時30分開場)▼会場・千葉市美浜文化ホール(JR京葉線検見川浜駅徒歩8分)入場無料♪曲目・「パエリア」「チキンカレー」ミュージカル「イノセント・ムーン」など▼問い合わせ・206‐5044(渡部)
キムタクのお母さんの講演会
テーマ「育みはぐくまれ」▼講話・木村まさ子さん(人気歌手木村拓哉のお母さん)の子育て体験談を語っていただきます。キムタクの今があるのは母の育て方▼8月20日(月)午前6時〜7時▼場所・三井サンガーデンホテルTel224-1131▼無料。主催・千葉市若葉区倫理法人会▼問い合わせTel090-5419-6073(関)
郷土芸能〜和太鼓の競演
▼会場・青葉の森公園芸術文化ホール▼日時・8月26日(日)13:30開演▼入場料・全席自由‐1,000円(税込)▼出演:ほのぼの太鼓・千種太鼓・大塚太鼓かずら会・寿流太鼓花見川鼓連・弥生会獅子吼太鼓◎チケット前売所・青葉の森公園芸術文化ホールTel266-3511・千葉市民会館Tel224-2431・千葉県文化会館Tel222-0201・千葉市文化センターTel224-8211・千葉三越友の会224‐8228・千葉市若葉文化ホールTel237-1911・千葉市女性センターTel209-8771▼主催:財団法人千葉県文化振興財団・後援:千葉県▼お問い合わせTel266-3511
第6回九十九里浜清掃大作戦
▼目的・九十九里浜全域清掃を通じて環境問題対策、地域の活性化に向けた地元の子供達への環境教育、九十九里地域の魅力を再発見を目的にしている。今年度より清掃終了後「九十九里浜いきいき祭り」を実施する▼期間・8月17日(金)〜19日(日)▼清掃参加者・800名(本協会会員300名一般参加500名)▼スケジュール・17日11:30開会式(大網白里町アリーナ)13;30海岸清掃開始(旭市・匝瑳市・横芝光町)18日・9:00海岸清掃開始(横芝光町・山武市・九十九里町・白子町・長生村・一宮町・いすみ市)19日10:00海岸清掃開始(九十九里町・大網白里町)17:00九十九里浜いきいき祭りIN大網白里町▼問い合せTelHAX・03-3418‐1840・国際ボランティア学生協会事務局(外木)
「明日咲くバラ」コンサート
▼出演・りゅうよしこ、女声歌謡団ザ・トゥモローズ、男声歌謡団ザ・パッパーズ他★花の歌大楽唱スペシャル「百万本のバラ」など花の歌をみんなで歌おう!▼日時・9月1日(土)午後1時開場▼会場・千葉市生涯学習センター(中央区弁天3‐7‐7)▼チケット・参加料前売り2,000円、当日2,500円、会員1,500円・申込みTel254-5587▼お支払い・郵便振替口座00140‐9‐742084名義NPO法人ザ・パッパーズ
花光ランチタイムコンサート
▼日時・8月10日(金)12時お食事12時半開演★2,500円(食事、飲物付き)▼演奏者・ピアノ友清祐子、トランペット酒井清志♪曲目・舟歌、小犬のワルツ(ショパン)スペイン狂詩曲(リスト)他▼問い合わせTel271-0002
花光貸しホール
80名収容の大フロア、カラオケ、グランドピアノ完備。午前10時〜午後5時(1時間=5000円。午後5時〜9時(1時間=8000円)。研修会、サークル活動、ダンス各種同好会にご利用下さい。ドリンク軽食等のご相談も承ります。Tel271-0002
子犬売ります
トイプードル5月18日生れ。アプリコット色メス2匹オス3匹血統書付▼問い合せ090‐6926‐9650(宇山)
子猫差し上げます
4月生れの子猫。母親は生粋のトラ猫、父親は外国系のかかったトラ。乳離れ、トイレの躾済▼Tel246-7905(カタヤマ)
カルチャーセンター稲毛 生徒・教室利用者も募集!
会議・研修会にもどうぞ。ステンドグラス、マミフラワーデザイン、トールペイント、英会話、油絵、書道、ろう造花、手書き染め等。問合せはC244・3989【無料建築相談会】初めての家づくりプランニングから業者選び、資金計画まで▼日時・8月25
日(土)午後1時〜3時▼問い合せ・アイム設計C244・3989

フロントページへ このページのトップへ


今月の人 70歳過ぎても現役の選手として活躍
千葉県ソフトバレーボール連盟理事・千葉市バレーボール協会
ソフトバレーボール部理事長 横野 雅哉 さん (68歳)

横野 雅哉 さん
中央区仁戸名町にお住まいの横野雅哉さんは、神戸市出身。兵庫県内の中学校でバレーボールを始めて以来、50年以上もバレーボールにかかわる人生を過ごしている。
姫路工業大学付属高校に在学中は、バレーボール県大会でベスト4、近畿大会でベスト4の実績を残した。千葉市の川崎製鉄(株)に入社後は一貫して設備管理の仕事を担いつつ、川鉄のバレーボール部で活躍。当時の実業団チームとしては千葉県1位の実力を持ち、全日本実業団9人制選手権千葉県代表として数回出場した。監督兼選手として活動し、32歳で実業団選手を引退した後は、地域の家庭婦人や青少年のバレーボールサークルなどの指導にあたった他、千葉市が独自で考えたゴムバレーボールに熱中。
「ゴムバレーボールは9人制でゴム製のボールを使用し、アタックをしないなど普通のバレーボールとはルールが違い、ラリーが続く競技で、多数のサークルが誕生した」と横野さん。
47歳の時、国体種目に40歳以上の選手で構成する「成年U部男子バレーボール」が正式にエントリーされ、横野さんも千葉県代表選手として選抜された。練習を重ね、1996年に広島で開催された国体で、成年U部千葉選抜男子チームは広島県代表と決勝戦を戦い、準優勝を果たした。「準優勝は生涯の思い出になる。
練習の環境を作ってくれた千葉の人たちやお世話になった広島の人たちに感謝している」と話す横野さんは、その後は地域のソフトバレーボールサークルの選手兼コーチとして活躍中。
ソフトバレーボールはバドミントンコートの広さの中で、男女混合チーム4人対4人で年代別に戦う。子ども用ビーチボールをやや固くした専用ゴムボールを使用。ネットは2メートルと低く、アタックは自由で、ルールは6人制バレーとほぼ同じ。「60歳以上の全国ソフトバレーボール大会もあるので頑張りたい。老いても青春。 70歳を過ぎても現役で選手を続けたいし、多くの人たちにソフトバレーボールの楽しさを知って欲しい」と横野さんは語った。
【取材・浦野美智子】

フロントページへ このページのトップへ


フロントページへ このページのトップへ


花の道  川島 正仁
第4部 逃げていく仕事 飛び込んでくる仕事(6)
 そうしていくつものグループを作ったのであるが、会社はあまり私を評価してくれなかった。間にHというアウントバウンド部門のマネージャーがおり、すべて彼の手柄となったからだ。そのうちHがオーガナイズしたオリエント・エメラルダという商品がオリエントブームにのってだんだん売れ出してくると、それらのグループをテイク・ケアする添乗員が足りなくなり、私におはちが回ってきた。私にとってはこちらの仕事の方が慣れたものだ。日本人相手の添乗員に比べればなんと楽なことか。私は日本でスパニッシュのガイドをやっていた時のことを思い出した。今度は私がその添乗員として日本に行くのだ。多くの場合、日本に行くのはJAL便を利用した。バンクーバー経由の直行便なので途中ロスアンゼルス経由のような入管審査もなく実に楽であった。持っている知識の一部を話していれば、それでお客さんは大満足だ。日本に着けばスペイン語のガイドが待っている。飛行場からずっと付きっ切りでテイク・ケアしてくれる。添乗員など後方にいてお客の数さえ確認していればいいのだ。
日本人グループの添乗員をしていた時は、朝食も満足に食べられなかった。もし食堂でお客より先に食べていたりでもしたら、必ずあいつは生意気だとクレームがついた。お客さんが席について食べ始めるのを見てから我々も食べるのだ。市内観光出発時間のギリギリに食堂に入るお客がいると、それで我々の朝食はなくなった。しかしこのメキシコ人グループの場合、そんなことはまったく関係なかった。朝食はすべてクーポン制で、ツアーの出発時間と場所さえ前日に報告しておけば、お客は出発時間までに各自食事をとっているから、我々も自由に朝食をとれた。顔をあわせれば「ブエノス ディアス」(おはよう)と挨拶して、それで十分だ。余計な気を使わなくてもいい。到着、ホテルにチェックイン。翌日東京都内ツアー、午後フリータイム。そして次ぎの日は日光ツアーに行く。その後東京をバスで出発し、鎌倉箱根観光をする。熱海駅より新幹線こだまに乗り京都へ、そこで2泊3日、余裕のあるツアーは3泊4日、もちろん京都市内ツアー、そして奈良ツアーも入る。そして大阪伊丹空港より香港に向かう。さらにタイのバンコック、次ぎはシンガポール、帰りはホノルルに寄ってハワイ観光である。ハワイには2、3泊して最後はロスアンゼルス経由でメキシコへ帰るのだ。だいたい3週間のツアーだった。日本のツアーから考えると実にゆったりした長いツアーだ。さすがにアスタ・マニヤーナの国、生活をエンジョイすることが1番、仕事はその次ぎだ。どちらが良いのか、私にはなんともいえない。バランスの問題だろう。(つづく)

フロントページへ このページのトップへ