150,000部発行
2004年6月9日
通巻第93号
年間郵送購読料3,000円
稲毛新聞
 発行責任者/佐藤 正成  発行/稲毛新聞社 〒263-0043千葉市稲毛区小仲台2-5-2 TEL043-256-4414(代)FAX043-256-4494
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星霜録
 6月3日午前11時10分千葉ロッテマリーンズの応援団長松本真一さんが71歳で亡くなられた。松本さんと親しく交際していろいろお世話になった人だけに全く残念でならない。今期千葉ロッテの監督にバレンタイン氏が就任。優勝に夢を膨らませていた松本さんもさぞかし無念だったであろう▼本紙第55号の「こんにちは」欄に登場していただくために取材した時「千葉ロッテマリーンズを優勝させ、マリンスタジアムから県庁まで優勝パレードすることが夢」と語った言葉が強く印象的に残っている▼松本さんは20歳代ころ毎日オリオンズの選手が好きで球場に足を運び応援していた。大毎オリオンズのオーナー永田雅一氏に大変可愛がれて、若くして応援団長になった。以来こんにちの千葉ロッテの応援団長としてまたパ・リーグの応援団長として活躍し、今では千葉ロッテは日本一の応援団といわれるように育てた人である▼筆者も若い頃から毎日新聞の仕事をしていた関係で大のロッテファンになり、千住にあった東京球場によく通った。その時、松本さんの毒舌的な応援ヤジ≠ェ面白く愉快で、いつも松本さんのそばで一緒に応援した。そんなことを松本さんに話したらとても喜こばれ、気が合った。「今度は僕も稲毛新聞も応援するよ」といって広告スポンサーも紹介してくれた本当に優しい人だった▼ロッテの選手にも慕われ、相談相手になっていた松本真一さん。今はただご冥福を祈るのみである。合 掌 (正)

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千葉の歴史検証シリーズ22 埋め立て 五千万円念書事件 (最終回)
県民の審判は全国最低の知事選投票率
  川上知事の辞表提出に伴う知事選挙は、3月11日告示・4月5日投票と決まった。 ところが、肝心の自民党が『川上後継』について、真っ二つに割れたのである。沼田副知事が後継の最有力と見られたのに対し、川上が「沼田副知事が出るなら、私はもう一度県民に信を問う」と言い出し、自民党県議団が真っ二つに割れるという、5千万円念書事件の最後の『お粗末劇』が演じられた。
呆れ果てた県民が、情けない県政に報いたのは、川上後の知事選挙での投票率が25・38%と全国知事選史上、最低の記録という『審判』だった。
「川上再出馬劇」は川上が辞表を提出した後の2月23日午前10時から知事公舎で行われた会議の席上だった。この会議の主題は、当時浦安に建設中だった「東京ディズニーランド」の用地の一部が、三井不動産・京成電鉄・遠山偕成の3社に転売した件。
 これについては、すでに本紙で詳細に報道したが、川上は会議でこの問題を取り上げ、沼田に対し「あなたには、直接関係ないだろうが、この一件もあり、あなたが県政の責任者になることは、好ましいことではない」と、知事選立候補断念を迫ったという。
  川上としては、ニセ念書をバラしたとされる、故参院議員の『秘蔵っ子』と言われた、沼田に知事の座を譲ることに耐えられなかったのである。さらに川上は「あなたが立候補するなら、事情によっては、私も再出馬を考えざるを得ない」とまで述べたという。当時の県政運営が、いかに一部の人たちに勝手に運営されていたかがわかる。
 川上の発言に対して、沼田は返答を避けたが、その夜の記者会見で「オリエンタルランドの土地問題は、川上知事も認めているように、私の全く関知するところでない。知事の発言に困惑している」と語っている。
実は自民党県連も、この時点で真っ二つに割れていたのである。
辞表を提出した川上の扱いは2月27日の臨時県議会で決定することになっていた。当時の自民党県議は57人。臨時県議会に先立ち26日に川上支持派と目される県議が会合を開いた。これには21人の県議が出席している。そして、(1)退職の同意案件は否決しない。(2)3月11日告示の知事選には川上知事を候補として擁立する。(3)知事選候補問題には結束して対処する、などを決めた。
一方、沼田を川上の後継者として推す「ふじみ会」に属する県議16人も同じ26日に会合を開いた。そして「当面は静観する」ことを申し合わせた。川上を誕生させたのは、川島副総裁・水田蔵相連合軍。その川上に見切りをつけたのが、もう一方の県政の実力者・菅野儀作だった。菅野は川上を降ろして沼田を知事にしようとした。その理由については、すでに解説した。
呆れたことに、その頃になると今度は、問題の念書の『利権提供』の文言がない文書のコピーが『これが川上が書いた本当の念書だ』というのが出回り始めた。
 さすがに県民からは厳しい声が上がり始めた。だらしないと言われても仕方ないのは、県政野党も責任が重い。いくら県議会で自民党が圧倒的多数を占めても、一時は『川上再出馬』まで飛び出して自民党が混乱していた時期こそ『主権奪回』の絶好のチャンスだった。しかし4月5日に行われた『出直し知事選』の結果は無惨≠ニ言っていいほどだった。
 自民党推薦の沼田が獲得した票は39万3981票。これに対し、社会党推薦、公明・民社支持の上野建一の獲得した票は16万2973票。なんと20万票以上の大差で敗れている。
  惨敗もさることながら、この時の投票率は25・38%。全国知事選史上最低の投票率を記録、全有権者に対する沼田の得票割合(絶対得票率)を見ても12・46%と一割強の支持しかなかった。 これが県民が、全国に恥をさらした、5000万円念書事件に下した冷めた審判≠セったのである。
その沼田知事は、民選知事選開始以降、3選以上は難しいと誰もがなれなかった知事の座を5回も維持し続けるとは当時誰が予想しただろう。そこには沼田一流の長期政権維持≠フ手練手管≠ェあった。その「秘密」さらには「清沼会」なる組織。そして絶妙と言える「人事管理術」。これらについては、また稿を改めて書くことにする。
(おわり)【文中敬称略】

次号から「成田国際空港・血と涙の歴史」を連載。開港30年経っても滑走路の整備すらできない現状の真実を記録を明らかにします。  【編集主幹・ 佐藤正成】

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学校物語 75 千葉市立高洲第二中学校
生徒の自主性を大切にし個々を活かす教育
 美浜区高洲4丁目にある「千葉市立高洲第二中学校」は昭和50年に創立。今年の11月には創立30周年の記念式典が行われる予定だ。全校5クラス・117人の生徒が勉学に励んでいる。
 教育目標に「新しい時代を切り拓く豊かな心を持ち、自ら考え判断し行動できる生徒の育成」を掲げ、「豊かな心を持ち、意欲的に学習に取組み、心身を積極的に鍛え、美しい環境づくりに努める」生徒像を目指している。同校では3年ほど前から、近隣の高洲第四小学校と真砂第五小学校の児童たちとの交流会を兼ねた清掃活動を実践しており、毎年10月頃に、同校の生徒と児童のグループを作って交流を図りながら、学校周辺のゴミ拾い清掃活動を行う。毎年2月には6年生の児童が同校を訪れ、授業体験や部活動体験を行う交流活動も実施している。 また、生徒の保護者や地域の人たちで構成する育成委員会では、夏休みのキャンプや秋のカレーオリエンテーリングなど地域の小・中学生のために積極的な活動を展開している。
 10月の文化祭「潮香祭」では、保護者や地域の人たちを招いて、全クラス参加の合唱コンクールを開催、昨年度は、千葉西警察署職員が「薬物防止キャンペーン」に関する講演を行った。
 3年生の修学旅行は5月に2泊3日の予定で長野県飯田市に農業体験に出かける。一日目は農家の人の家に3〜4人ずつホームステイをし、田植え作業やりんごの摘果作業、そば打ち体験、アップルパイ作りなどの体験学習に励む。他にも諏訪湖の調査見学やガラスの里でのガラス工芸作りなど、自主的に行動している。潮香祭も体育祭も生徒たちの実行委員会が企画・運営を行うなど、授業の中や行事等、様々な場面で自主的活動を推進し個性発揮の場を設けている。さらに、年2回の教育相談週間では、生徒と担任が一対一で話し合う時間を作り、一人一人の生徒の悩みや考えを聞く機会を設けている。
 現在、市内公立中学校では唯一人、女性の校長の山口校長は「現代は、子どもたちに様々な事が要求される厳しい時代なのでサポートをしたいと思っている。集団の中であっても、一人一人の存在を大切にして個々が活かされるような方向に持っていってあげたいと思う」と語った。【取材・浦野美智子】

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あの店この店 グレードの高い本物が味わえる
西千葉駅前通り「珈琲舎 古時計
 JR西千葉駅から徒歩5分ほどの所にある自家焙煎珈琲専門店「珈琲舎古時計」は27年前に開店した老舗。 店内には古い時計などアンティークなインテリアが飾られている。マスターの内田義昭さんは「全てのコーヒーが体に良いわけではない。ストレートで飲んだ時、すっぱくて、のどごしにひっかかるような味がするコーヒーは、すぐに飲まないと味が変化してしまうまずいコーヒーだ。おいしいコーヒーとは、グレードが高く100%天日乾燥させた豆を5年以上熟成させたものを使用したコーヒーのことで、コーヒー本来の完成された味になる。古時計のコーヒー豆は全て5〜10年以上寝かせて熟成させたビンテージコーヒーで、1〜2分置いて飲むとおいしく、冷めてもおいしい本物のコーヒーだ」と語る。コーヒー豆のグレードは、産地別や標高差、スクリーン別(豆の大きさ)、品種別などで決まり、グレードの高い豆を数年間熟成させることで甘みや香りが深くなるという。本物のコーヒーには利尿作用や覚醒作用がある他、血行を良くし疲れを取り思考能力が増すなどの効果がある。疲れが取れてコクのあるコーヒー「宇宙」は580円、苦みの王様といわれる「スーパーマンデリン」は550円、柔らかな苦みがあり香り高い「ブラジル(アクアマリーン)」は550円など、様々な種類のコーヒーが味わえる。無添加自然食パンを使用したサンドイッチや自家製ケーキも人気。自家焙煎豆は販売もしている。
Tel.253-9946 【取材・浦野美智子】

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市民ガイド
千葉市美術館
(1)藍と暮らす人々 トン族・ミャオ族・タイ族太陽と精霊の布-中国・東南アジア少数民族の染織▼会期・7月13日(火)〜8月29日(日)*休館日・月曜日ただし7月19日(月・祝)開館、翌日休館▼開館時間・10:00〜18:00*金曜は20:00まで▼観覧料・一般800円(640円)大・高生560円(450円)中・小生無料(カッコ内は団体・前売料金)*前売りは美術館ミュージアムショップ、JR東日本びゅうプラザ▼問い合せ・Tel.221-2311(千葉市美術館)(2)おわりはじまりー円をめぐる6つのお話「円」をテーマに6部構成の展示を行う▼会期7月17日(土)〜8月22日(日)▼観覧料一般200円(160円)大・高生150円(120円)中・小生無料(カッコ内は団体料金)(1)の観覧券で入場可▼休館日、開館時間、問い合せは(1)と同じ

第5回千葉パリ祭
▼日時7月17日(土)17:00開演▼会場・千葉市民会館大ホール(近くに有料駐車場あり)▼入場料・S席5500円A席4500円B席3500円(全席指定)▼♪1部・アマチュアの部(ゲスト朝吹タツヤ)♪2部・山越愛子♪3部・しますえよしお▼曲目予定・百万本のバラ/パリの空の下/愛の賛歌など▼前売りなど問い合わせ・Tel.463-3135(千葉巴里祭実行委員会)

花の美術館ラベンダーまつり
6月15日から7月11日まで花の美術館の前庭花壇などが約5000本のラベンダーと100種類のハーブで香りいっぱいになります。期間中はラベンダーにちなんだ教室も開催されます。Tel.277-8776

日露戦争百年記念講演会
▼日時・6月12日(土)17:30開演▼場所・船橋フェスティバル21ビルきららホール(JR船橋駅1分)▼講演『日露戦争と近代日本』講師・西鋭夫先生(スタンフォード大学教授、麗澤大客員教授)*明治の唱歌合唱▼Tel.047-435-0731(田久保)
古川了子(のりこ)さんを救う千葉集会▼講演『拉致事件の全体像と私達の安全』荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)『私の見た古川了子さん、そして北朝鮮から見た日本人拉致について』安明進(元北朝鮮工作員)『金体制による人権侵害と拉致事件』川人博(北朝鮮による拉致被害者を救出する法律家の会)『家族の訴え』竹下珠路(了子さんの実姉)▼日時・6月26日(土)14:00〜16:30▼場所・千葉市民会館小ホール▼参加費・無料(カンパ歓迎)▼Tel.047-433-4047、FAX047-433-4024(救う会事務局)

インターネットセミナー
▼入門コース・海浜幕張会場(JR海浜幕張駅下車10分 各日20名)(1)7月8日(木)(2)9月2日(木)のいずれかの1日▼応用コース・海浜幕張会場(各日20名)(5)7月15日(木)(6)7月22日(木)(7)9月9日(木)(8)9月16日(木)のいずれかの1日▼時間・いずれも13:30〜16:30(受講料無料)▼申込方法・6月21日(月)までに希望のコース番号、会場、氏名、郵便番号・住所、電話番号、年齢、職業を記入し、はがきで申込み。〒261-7115千葉市美浜区中瀬2-6WBGマリブイースト15F(株)千葉県情報サービス産業協会「インターネットセミナー」C係まで。応募多数の場合は抽選。受講者には6月28日(月)までに連絡Tel.212-2755(千葉県情報サービス産業協会事務局)

第13回ピアノジョイントリサイタル
小林道夫&榎本潤&合唱団からたち-バッハからウィーン古典派へ-▼日時・6月19日(土)18:00開演▼場所・千葉市文化センターホール▼料金・全席指定3500円▼問い合せ・Tel.・FAX246-5835

NPO応援パソコン講座
ホームページ作成▼対象・Word インターネットが使える人・定員10名▼日時・7月1日、7月8日(金)の2回 10:00〜16:00▼受講料・10,000円(テキスト代別途)講師・(株)東芝情報機器▼場所・東芝TOPSビル7階(美浜区真砂)駐車場あり(要予約)受講料は申込後郵便局で(振替郵便局口座・市民スクール00160-9-567553)▼問い合せ・Tel.303-1688・FAX303-1689(NPOクラブ市民スクール)

英会話LIA(外国人講師)ちょっとだけ頑張れば本当に6ヶ月で日常会話が話せます。低料金月謝制JR稲毛駅より2分Tel.043-253-4533

カルチャーセンター稲毛 生徒・教室利用者募集!
 会議・研修会にもどうぞ。メイク教室、ステンドグラス、フラワーデザイン、イラストレーション、パッチワーク、キルト、油絵、書道、ろう造花、手書き染め等。問合せはC244・3989

【設計士の住い塾】家ができるまでのプランニングから業者選び、資金計画まで▼日時・6月26日シ午後1時〜3時▼問い合せはアイム設計C244・3989

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今月の人
「はらっぱ」代表 西田直海さん
地域の企業と人を結ぶイベントを企画
 稲毛区小仲台にお住まいの西田直海さんは、幼稚園教諭としての仕事と画廊勤務を経て、その後、結婚し育児に専念していたが、同じマンションに住む若い母親たちの依頼もあり、4年ほど前に、2歳児の子どもと母親が遊び交流する機会をコーディネートする「はらっぱ」を立上げた。現在週1回、マンション内の共同スペースに12人の子どもたちと母親たちが集まり、工作や絵本の読み聞かせ、歌など、西田さんのアドバイスのもとで交流を深めている。
 西田さんは「若いお母さん方には、絵が描けるとか歌が上手いなど様々な能力があるので、埋もれた能力を上手く発揮できる仕掛けを考えたいと思った。新聞紙や牛乳パックやダンボール箱などを利用していろいろな物を作ったり、絵本を読んだり、歌を歌うなど、子どもたちの個性と母親たちの個性が思い切り出せるような時間を作っている。親たちは、自分の子どもと他人の子どもを比べたがるが、比べる必要は無く、その子の個性を認めるべきだ。毎回続けていくうちに、子どもも母親も自主的に行動するようになり、独創的アイデアが生まれてくるので私も楽しい。創造し実行し楽しむという様々な場面で信頼関係を築き、お互いの関係性を深める仕掛けを一年間かけてコーディネートしている」と語った。
 また、西田さんは現在、千葉大学工学部都市環境システム学科の3年生。「大学は、その知恵を社会に発信するべきだと思うので、大学で知恵と人に出会うことで新しい活動を展開したいと考え入学した」と西田さん。都市環境システム学科では、地域の中で企業と人を結び付けたり、行政と人を結び付けるなどコーディネートの活動をハード面・ソフト面で展開していくことを学ぶ。この5月には、企業の協力のもと、西田さんと知人のコーディネートで習志野市内の広い駐車場を会場に、稲毛東商店街のカレーレストランや酒店、雑貨店等が出店するイベントを開催した。
 バンド演奏や母の日スペシャルサービスなども行い、好評を得た。「企業は地域とともに生きる姿勢が大切であり、地域と企業は互いにエールを送り合う関係が望ましい。その出会いの場をプランニングしコーディネートする活動に力を入れたい。商店街活性化のためにも提案し行動していきたい。 プランニングディレクターとして公に認められたい」と西田さんは情熱的に語った。現在、特定地域の魅力的な店舗を集めたバザールの開催および千葉県で企業と組んで行うフリークライミング大会開催のコーディネートにかかわっている。【取材・浦野美智子】

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新連載 「人生うらおもて」 第6話
奥様は調香師=パフューマー 上 又木 太郎
田村良子46歳。結婚して23年、いろいろあった人生だったが、まずは最近の生活に満足していた。夫、洋一は建設会社の営業部長をしている。同僚友人のあいだでは堅物で通っており事実平社員から今の営業部長の地位を獲得するまで、仕事一筋といつていい勤務ぶりだった。物足りないのは子供が娘ひとりだけで、その一人娘の沙織も2年前に地方の大学に進学して、夫婦2人きりの生活ということくらい。しかしこれも世の中一般の家庭から比べれば、むしろうらやましいと言えるかもしれない。
 今住んでいる一戸建ての家は、3年前にマンションを売って購入したもので、夫婦2人の生活には十分過ぎるほどの広さだった。
 営業部長という役目がら交際が多いのは仕方がないと覚悟していたが、堅物で通っている洋一は、得意先の接待がある日でも、終わるとまっすぐ帰宅する。
 人生というのは不思議であり、筋書きのないドラマかも知れない。この絵に描いたような円満な夫婦仲が「憎悪の仲」に変わってしまうとは人生の神様も意地悪と言うほかはない。
 良子には妙なくせがあった。くせというより匂いに非常に敏感なことだった。 生まれつきというか、ちょっとした匂いが気になる方で、娘の沙織がまだ大学に進学まえで家にいた頃も「お母さんってネコみたい、あたしが今日お友達と何を食べたかどうして分かるの?」とよく言われた。
 ある日のことだった。良子は帰宅した洋一の後ろにまわり背広を脱がせた。ハンガーに掛けるとき襟元に鼻を近づけてそっと匂いを嗅いだ。もうクセになっている仕草だが、一つにはこの頃夫の背広から微かな匂い、それも決まった匂いがすることに気がついた。
 洋一はタバコを吸わない。だから彼の服から漂う匂いはかすかなものでも彼女はすぐ気がついた。その匂いのもとはいつものように焼肉のたれの焦げた匂いだった。夫は、いつものようにテレビの野球中継に見入っている。
「あなた、今日のお昼は何を食べたんですか」。返事がない。もう一度聞いた。「うるさいな、昼食に何をたべたっていいだろう。それより早く晩飯を食わせてくれよ」。言い捨てて洋一はテレビに未練を残しながら風呂場に入った。良子はバスタオルを用意するため脱衣所に入った。ふと気になって脱ぎ捨ててあった夫の下着の匂いを嗅いだ。「あたしって何してるんだろう」。そう思いながら下着に鼻を近づけると、そこからも焼肉の匂いがした。「夫は焼肉ばかり食べているのかしら…。でもこの前聞いたらソバを食べたと言っていたけど」こんな小さな出来事が夫婦の破局につながるとは良子は考えもしなかった。(つづく)
(株)愛晃リサーチの調査記録を参考にしたノンフィクションです 。

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